カイロプラクティックとは?
「カイロプラクティック(Chiropractic)」という言葉は、ギリシャ語のCheir(手)とPraktos(行われる)に由来していて、手で行われる、手で施術する、という意味を持っています。「手技療法」という意味ですね。手技療法自体は世界各地に古くから存在していますが、カイロプラクティックが専門の職業として現れたのは19世紀後半の米国でした。
米国のアイオワ州でD.D.パーマーが初めてカイロプラクティック・アジャストメント(脊椎の矯正)をおこなったのが1895年(明治28年)のことであり、これが記録に残された初めてのカイロプラクティック治療になります。
その後100年以上に渡り主に米国で研究が続けられ、カイロプラクティックに関する知識、技術、哲学が発展してきました。
その発展の過程の中で医学界と対立していたこともありますが、今ではカイロプラクティックはWHO(世界保健機関)もその効果を認める主要なヘルスケアの一つとして世界に広まっています。
カイロプラクティックの特徴
痛みやしびれなど、症状そのものをみるのではなく、その症状の原因に着目して人間の身体が本来持つ「自然治癒力」を高めるために用いられるのがカイロプラクティックによるケアです。
例えば頭痛や腰痛などの症状があるとついつい鎮痛剤に頼りがちですが、その症状の「原因」を取り除くことで症状の回復を促すのがカイロプラクティックの特徴です。頭痛や腰痛などの原因になりうる、背骨や骨盤のゆがみやバランスの悪さを見極めてゆがみを調整することで、患者さんの身体を痛みなどの症状が出にくい状態に改善する事がカイロプラクティックによる治療の主な目的です。
カイロプラクティックと整体の違い
カイロプラクティックは人間の身体が本来持つ治癒能力を最大限高めるために用いられる治療法です。特に米国のカイロプラクティック大学を卒業し、ドクターオブカイロプラクティック(D.C.)の学位を取得したカイロプラクターは、非常に高い水準の教育を受けています。
一般的な「整体」では身体のコリをもみほぐしたりストレッチをするだけで施術が終りがちですが、解剖学、生理学、神経学、放射線学などをしっかり学んだカイロプラクターが施術を担当するカイロプラクティック治療院では、筋肉の働きや神経の流れなどに着目して骨格からしっかりと改善を促してゆきます。
どうしてカイロプラクティックが効果的なのか?
まず前提として、身体をコントロールするための配線として神経系が存在します。腕や脚を曲げたり伸ばしたりするために使う運動神経や、内臓の働きやホルモン分泌などの一部をコントロールしている神経の本管である脊髄が収まっているのが、脊柱(背骨)です。
脊髄とそこから枝分かれして全身につながる神経根と密接な位置関係にある背骨に問題が起きると、神経の流れにも影響が及んでしまいます。
例えば、猫背の姿勢が影響して背中の真ん中の胸椎にゆがみや動きの悪さが発生し、胃腸へつながる神経の伝達が悪くなると、胃腸の働きが悪くなるとカイロプラクティックでは考えます。このような場合、カイロプラクティックでは胸椎をアジャスト(矯正)することで、胃腸の働きを改善させることを目指します。
もう一つよくある例としては自律神経の不調の改善が挙げられます。胸椎のゆがみによって交感神経が刺激を受け続けることで身体や心も休まらない自律神経失調症におちいることがあるのですが、これも胸椎のゆがみをアジャストすることで交感神経への刺激が減少し、身体や心へのリラックス感をもたらすことが出来ます。
一見すると背骨とは関係のなさそうな身体の不調が、実は背骨に原因があったというケースはよく見られますので、なかなか治らない症状にお困りの方はご相談ください。
カイロプラクターが行う事
患者さんの身体をみる時にカイロプラクターがする事とは、簡単に言うと「背骨のサブラクセーション(ゆがみ)を見つけて矯正する」ことです。
背骨や骨盤の機能や構造に詳しいカイロプラクターは、背骨のちょっとした動きの悪さやゆがみを検知することができます。その手段としては、触診、X線写真のチェック、背骨の両側の温度を測定する特殊な温度計などを用います。
背骨のゆがみ、つまりサブラクセーションを見つけてアジャスト(矯正)をするため、患者さんは施術用のベッド(カイロプラクティックテーブルと呼ばれる)の上でうつ伏せ・仰向け・横向き・坐位のどれかの体位で治療を受けることが多いでしょう。基本的にカイロプラクターの手を使って施術が行われますが、場合によってはアクティベーターやブロックなどの器具を使った治療が行われることもあります。